特色ある学校づくり

新校としての発展を目指して
寄居城北高等学校 校長 吉田 光利

【本校の設立】

 本校は、県の再編整備計画により、それまでの寄居高校と川本高校を統合し、熊谷・深谷・本庄・寄居地区で初めての総合学科の高校として平成二十年四月に開校しました。現在、一年次生と二年次生の合わせて約四五〇名が学んでいます。平成二十二年四月には三期生が入学し、完成年度を迎えます。

【写真】小中高3校合同花植え運動
小中高3校合同花植え運動

 総合学科は「第三の学科」と言われ、普通科と専門学科の両要素を持ち合わせた学科です。したがって、進学希望者から就職希望者まで幅広い生徒が学んでいます。平成五年に法制化され、翌平成六年に全国で七校が開校したのを皮切りに、現在全国で三四四校が設立されています。文部科学省は、一通学区に一校の割合で全国に約五百校の設立を目指しています。本県では国公私立合わせて現在十二校が開設しています。

 本校では新校開設に当たり制服も校歌も新しくいたしました。施設面でも平成二十年十月に実習棟が完成しました。体育館も改築中で本年度中の完成を目指しています。

【目指す学校像】

 再編整備計画では「寄居新校基本計画」が策定され、「地域連携型の総合学科高校」として「生徒一人一人に応じた丁寧な指導を行い、学力の向上と心豊かな人間性を育み、地域との信頼関係を確立することを基本姿勢とする」ことが教育活動の基本方針として示されました。

 本校では、これらの基本計画の理念や基本方針を踏まえ「目指す学校像」を次のように策定いたしました。

総合学科として特色ある教育活動を展開する中で知・徳・体の調和のとれた将来社会に貢献できる人材を育成し、地域から信頼される元気な学校づくりを目指す。

 「地域連携型の総合学科高校」を標榜する本校としては、特に「地域から信頼される学校」の視点は最重要課題と位置付けて学校づくりに努めています。

【学習系列】

 学習内容としては、「文理系列」「環境・地域系列」「情報ビジネス系列」「健康・生活系列」の四つの系列を設けています。これらの概要は次のとおりです。

  • 文理系列は、文系・理系・看護系の大学、短大、専門学校への進学を目指します。
  • 環境・地域系列は、身近な環境や郷土の自然、文化を学び、その知識を深め、環境系の大学等への進学や企業への就職を目指します。
  • 情報ビジネス系列は、コンピューターや簿記などの資格を積極的に取得し、情報・経済・商業系の大学等への進学や企業への就職を目指しています。
  • 健康・生活系列は、健康やスポーツに関する専門性を高め、介護・保育・スポーツ系の大学等への進学や企業への就職を目指しています。

【本校の特色】

【写真】大学の出前授業を受ける生徒たち(高大連携)
大学の出前授業を受ける生徒たち(高大連携)

 本校では、「生徒一人一人の夢を育て叶えること」を念頭に教育活動を展開しています。

 まず、生徒一人一人に対するきめ細かい指導が可能となるように、六学級分の生徒を七学級で展開し一学級を三十三人程度の少人数学級に編成しています。また、国語・数学・英語の三教科については少人数による習熟度別授業を実施しています。

 次に、総合学科の特色でもある「産業社会と人間」という科目を一年次に展開し、一年間をかけて生徒自身の進路について考えさせています。

 さらに、夏季休業中にはインターンシップを実施し、一年次生全員が希望進路と関係した企業等で三日間の就業体験を行っています。また、高大連携として埼玉工業大学との間でサイエンス・パートナーシップ・プロジェクト(SPP)を取り入れ、大学での授業体験や大学からの出前授業などを実施しています。

 その他、生徒会やJRC部による地域の清掃活動、家庭科部によるマスコット人形(無事カエル)の地域への配布、小学校・中学校・高校三校合同による「花いっぱい運動」や「朝のあいさつ運動」、中学校二年生全員を対象とした体験授業の実施など地域との関わりに重点をおいた活動を熱心に行っています。

【本校の今後】

 本校は開校二年目ですが、生徒、保護者、教職員が一丸となって「本校のグレードアップ」を合言葉に日々奮闘しております。部活動も充実してきました。現在、運動部十一、文化部十一の各部が活動していますが、一・二年次生しか在籍していない中で、すでに五つの部が県大会への出場や県コンクールでの入賞など果たしています。PTA・後援会の皆様も「生徒のために」を第一に文化祭への参加、マラソン大会への支援、登校指導など様々な活動を活発に展開しています。さらに、教養講座や研修旅行などを企画し、保護者の皆様自身の教養文化活動にも熱心に取り組んでいます。平成二十二年度は完成年度を迎えます。初めての卒業生を送り出すこととなりその真価が問われる節目の年となります。新校として保護者や地域の皆様の期待に応えられる成果が出ますように教職員とともに努力していきたいと存じます。

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