松本裕史 県高P連会長 挨拶
(熊谷女子高校PTA会長)

【写真】松本裕史氏 平成22年度、埼玉県高等学校PTA連合会の会長を務めさせていただくことになりました。この一年間よろしくお願い申し上げます。山田前会長には、2年間に亘り、埼玉県のみならず全高P連や関東高P連の会議でご活躍いただきました。その後を引き継いでいくことは、かなりの重圧ですが、会員皆様方のご指導とご鞭撻を得て、職責をまっとうしたいと考えております。

 さて、自分の高校生時代と今では、高校教育を取り巻く環境が激変していることに驚きます。戦後に全国各地でPTAが組織されてから、60年ほどの歴史を刻んできていますが、その間、高校進学率の上昇、女性の社会進出、少子化、高学歴化、経済格差の拡大など、いろいろな変化の中で、高校教育も大きな影響を受けてきていると思います。私の両親は、商店を営んでおり、常に家にいました。仕事と生活が一緒になる環境の中で、文字通り両親の背中をみて育ちました。そして、その中で自分を支える価値観が形成され、今につながっていると感じています。しかし、最近は、家業をもつ保護者が少なくなり、また、女性の社会進出に伴い、共働きの家庭が増えて、その分、保護者が子供と過ごす時間が、以前に比べて減っているのではないでしょうか?そのような環境の中で、親子の間で長い間受け渡されてきた価値観を伝達するのは、容易なことではないと考えます。

 また、最近の傾向としては、核家族化が進んだことと、IT化、特に携帯電話の普及により、言葉によるコミュニケーション能力が落ちてきているように感じます。それは、子供たちだけではなく、大人にもあてはまるのではないかと思います。このコミュニケーション能力の低下は、実はさまざまなところに問題を引き起こしているように感じています。やはり、人間関係の基本は、お互いを理解する努力を欠かさないこと、すなわちうまくコミュニケーションをとることだと思います。子供たちには、言葉によるコミュニケーション能力を伸ばして欲しいと思います。

 人は、世の中のいろいろな価値観に影響されて生きています。いい学校に入らなければ、将来いい生活ができないということになると、それだけを目指して、受験戦争が過熱することになります。しかし、人はひとりひとり姿形が違うように、その能力にも違いがあって当然ではないでしょうか。4年に一度のオリンピックを見ても、実にいろいろな種目から成り立っています。これは、人間がいろいろな能力を持っているからだと思います。高校教育とは、自分の能力をひとつのものさしだけで計るのではなく、いろいろな基準で評価することを知ることで、世の中で自分の生きる道を見つけられる能力を養うことではないかと思います。

 結びになりますが、各学校のPTA活動におけるいろいろな問題を集約化し、子供たちの健全教育につなげるために、埼玉県高等学校PTA連合会として、積極的に活動していきたいと思います。皆様のご支援とご協力のほどを重ねてお願い申し上げます。

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