平成23年度 総会・研究協議会

【写真】平成23年度 総会・研究協議会

 大震災後の影響で開催に不安や心配を与えていましたが、平成23年度埼玉県高等学校PTA連合会定期総会・研究協議会が、544人の会員の皆様の参加を得て、無事行われました。今年度、熊谷哲郎氏が新会長として選任されました。また、来る平成25年度に、第59回関東地区高等学校PTA連合会大会埼玉大会が予定されています。その準備に入る重要な年度となります。会員の皆様の御理解や御協力をよろしくお願いします。

 平成23年度総会が6月14日午後1時から埼玉会館大ホールにおいて行われました。三井田哲副会長の司会進行のもと、天沼俊美副会長の開会のことばに始まり、松本裕史会長のあいさつ、来賓として御臨席を賜りました県教育委員会県立学校部長 細田宏様、県高等学校安全振興会理事長 山田明美様、高等学校長協会会長 内田徹様に御挨拶、御祝辞をいただきました。その後、議事に移り、平成22年度事業報告、決算報告、監査報告が承認され、役員の改選となり、県立春日部女子高等学校PTA会長熊谷哲郎氏が県高P連の会長として選任されました。また、新副会長、新監事も同じく選任されました。旧役員代表あいさつを松本裕史氏が行い、新役員代表あいさつを熊谷会長が行いました。引き続き、平成23年度事業計画並びに予算案が上程され承認され、第59回関東高P連大会埼玉大会準備委員会会則案及びその予算案を上程し承認されました。なお、本件に関わる文言は第59回と始まるものとします。

 議事終了後、感謝状・表彰状贈呈に移りました。受賞者を代表して天沼俊美前副会長に感謝状を、鴻巣女子高等学校前PTA会長吉野貴美子様に表彰状を贈呈し、受賞者代表あいさつを天沼前副会長からいただきました。参会者の皆様の御理解と御協力により、予定していた時間より若干早めに閉会を迎え、閉会のことばを荒幡雅一新副会長が行いました。

 休憩後、研究協議会を行いました。高校教育とPTA専門委員会からは県立狭山経済高等学校PTA会長田部由美子様が、「いきいきと輝ける場所づくり(経高PTA活動)」と題して、エコライフデイへの参加やPTAの諸活動を紹介しました。第61回全国高P連大会北海道大会においても発表されます。引き続き、家庭教育専門委員会からは県立大宮高等学校前PTA会長北川勝博様が「大宮高校、保護者も一緒に団体戦」と題して、PTAの在り方として保護者と学校をつなぐ「架け橋」であり、「理解と協力」の関係であり、その関係に立ち、PTAの活動が行われている活動を紹介しました。学校説明会における「保護者相談コーナー」への対応など参考になる内容でした。その後、指導講評を家庭地域連携課主任指導主事吉澤勲様から、PTA、学校、地域の連携の大切さについて意義あるお話をいただきました。

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来賓御挨拶(要旨)

県立学校部 部長 細田 宏 様

 あいさつに先立ちまして、過日の東日本大震災において、被災された方々に心よりお見舞い申し上げますとともに、被災地の早期の復興を願っております。

 さて、「平成23年度埼玉県高等学校PTA連合会定期総会」が、松本裕史会長のもと、このように盛大に開催されますことを、心よりお祝い申し上げます。

 御参会の皆様におかれましては、日ごろより、本県高校教育の充実と発展に多大なる御尽力をいただいておりますことに厚く御礼申し上げます。

 県では、子どもたちの豊かな心をはぐくむため、「埼玉・教育ふれあい賞」を設け、日々の教育活動に熱心に取り組んでいる団体を表彰しております。

 昨年11月の表彰式では、上尾橘高校、川口青陵高校、誠和福祉高校、新座高校、三郷高校が、「様々なふれあいや体験活動」の部門で、志木高校が、「学校・家庭・地域が一体となった子どもたちの育成」の部門で「埼玉・教育ふれあい賞」を受賞しております。この場をお借りしまして、紹介させていただきます。

 さて、県では、埼玉県教育振興基本計画『生きる力と絆の埼玉教育プラン』を策定し、中長期的な展望に立って、教育施策を推進しております。

 このプランは、教師と児童生徒など人間同士や、学校・家庭・地域の結びつきを深め、子どもたちの知・徳・体の調和を図りつつ、豊かな創造性を発揮できる力を育てようとするものです。

 高等学校におきましても、このプランに基づき、埼玉の公立高校で学んでよかったと生徒・保護者に言っていただけるよう、さまざまな取組を進めております。

 中でも学力の向上は、本県教育の最重要課題であります。教育の課題は学力だけではありませんが、教師の指導力を向上し、「授業が面白い」、「授業が楽しみ」という状況を作りだし、生徒に「頑張った」、「できた」、「ほめられた」という体験を積ませることは、すべての課題解決の出発点となります。

 一人一人の生徒にしっかり向き合い、基礎基本の定着をはかり、伸びる子をさらに伸ばしていくきめの細かい教育活動を推進してまいります。

 また、中途退学の問題につきましては、せっかく希望をもって入学をした生徒が学校を去ってしまう事態は何としても避けたいと考えておりまして、県教育委員会では、生徒に様々な体験活動を通して目的意識を持たせるなどの取組を継続的に進めてまいりました。

 お陰様で、平成22年度の退学者は2,550人と5年前の平成17年度に比べると1,200以上減少し、率にしましても、3.0%から2.1%へと低下しております。これからも、全力を挙げて中途退学の防止に努めてまいりますので、皆さまのご協力ご支援をお願いいたします。

 就職指導につきましても、キャリア教育を通じて、生徒に望ましい職業観を育てるとともに、一人でも多くの生徒が進路希望を実現できるように取り組んでおります。

 厳しい経済状況の中、平成23年3月末の県内高校生徒就職内定率は、95.9%と昨年度を1.4ポイント上回ることができました。

 今年度も、経済団体の協力による四者面談の実施や人事事務経験者を県内高校就職支援求人開拓員、通称「リクルートマスター」として採用し新たな就職先を開拓するなどの取組を進めてまいります。

 これらからも、生徒一人ひとりが夢と希望を持って新しい生活に歩みだせるような取組を積極的に進めてまいりたいと存じますので、引き続き皆様のご協力をよろしくお願いします。

結びに、「埼玉県高等学校PTA連合会」の御発展と、御参会の皆様の益々の御健勝と御活躍を祈念申し上げ、あいさつといたします。

高等学校安全振興会 理事長 山田 明美 様

 平成23年度埼玉県高等学校PTA連合会総会および研究協議会の開催にあたりお祝いを申し上げます。松本会長様、一年間、お疲れさまでした。松本会長様の御苦労は大変なものであったと思います。人の命を救うというドクターとしてのお仕事をされ、その中での高P連の会長の職務を成し遂げられ、頭があがりません。本当に御苦労さまでした。ありがとうございました。

 今年3月11日の東日本大震災発生後、3ヶ月が経った今も、亡くなられた方のお名前が載っています。お名前、年齢をみると、とてもつらい毎日ですが、「伝えたいこと」という新聞の欄に、子どもたちのメッセージがたくさん載っていました。最初のうちは、涙ばかりで新聞を読んでいましたが、今は子どもたちのメッセージが明るく前に進もうとしています。ただその中で、「もう、頑張れって言わないで」という言葉に胸がぎゅっと苦しくなりました。「そうだね、頑張れと言われてもね」と独り言のように新聞にしゃべりかけている私がいました。これからの人生を一瞬に断たれた高校生もたくさんいたと思います。子を持つ母として、そんな記事を見るのがつらかったです。

 さて、埼玉県高等学校PTA連合会が平成25年に50周年を迎えます。そして、関東大会埼玉大会もございます。新会長の熊谷会長にはこれから大変お忙しいと思いますが、頑張れではなく、前に進んでいただき、埼玉県高等学校PTA連合会のこれからの力になっていただきたいと思います。安全振興会といたしましても協力し、ともに歩んでいきたいと思っています。簡単ではございますが、お祝いの言葉とさせていただきます。

県高等学校長協会 会長 内田 徹 様

 日ごろから、松本県高P連会長様、各地区の支部長様をはじめ高等学校PTA連合会の皆様方には、各学校の教育活動や学校運営等に対しまして温かい御支援、御協力をいただいておりますこと、学校を代表いたしまして心より御礼申し上げます。本当にありがとうございます。

 さて、3月11日の東日本大震災から早くも3か月余りが経過しました。皆さま方の中にも御関係の方がいらっしゃるかも知れませんが、被災され、また避難等を余儀なくされた皆さまには、心よりお見舞い申し上げ、一日も早い復興をお祈りしたいと思います。

 震災では、私の勤務校も大きく揺れました。幸いにも生徒や建物に被害は出ませんでしたが、当日の交通機関の混乱で、帰れなくなった生徒といわゆる帰宅難民の方々、全体で370名以上の方々が体育館や校舎内に一泊しました。一泊だけでも本当に大変でしたが、長期にわたり避難所でお暮らしの被災者の方々は本当に御苦労かと思います。改めてお見舞い申し上げます。

 震災のその後の影響としては、まず余震が心配でしたが、やや落ち着いてきたかなと思います。もちろん安心はできませんが。

 現在、一番の心配はやはり福島原発の状況かと思います。皆さまも放射線については大変にご心配かと存じます。このことにつきましては、各学校が正確な情報収集に努めながら、関係機関等と密接に連携して対応しております。先日は、ニュースにも取り上げられましたが、県立学校6校でプールの放射能も調べました。間もなく結果が出ると思います。私どもでは、とにかく今のところは問題のないレベルと考えておりますが、今後も、教育委員会等の指導を受けながら、必要があれば、迅速、適切に対応してまいりますので、御家庭でも、情報に振り回されることなく、正しい対応を心がけていただきたいと存じます。

 もう一つ、これからの夏場の電力消費のことがございます。これにつきましては、国や県の流れを受け、各学校でも一層の節電が求められております。ただ、節電につきましては、各学校とも、これまで精一杯取り組んできておりまして、一律15%削減というのは厳しいところもございますが、学校では生徒の健康等にも配慮しながら引き続き努力してまいりますので、これを機会に御家庭でも節電やecoについてのお話などしていただければと存じます。

 震災の話ばかりになりましたけれども、国内外の政治不安や経済不安が続く中、家庭や教育を取り巻く環境は依然として厳しく、子どもたちに「生きる力」をどう育むのか、そしてその先の進路実現、雇用の確保の問題など、震災以外にも様々な困難な状況が続いております。高校生の交通事故がなかなか減らないという問題もございます。

 とにかく、現状は、我が国が戦後経験したことのない危機のただ中にあると感じておりますが、国を復興させていくのは、長い目で見れば、やはり教育しかないと確信しております。

 このため、各学校では、我が国を支える、活力のある創造性豊かな人材の育成にむけ、全力を上げて教育活動を行っているところでございます。中途退学者の減少など明るい兆しも見えてきております。PTAの皆様方におかれましても、「子どもたちをしっかりとサポートする」というPTA活動の基本姿勢を大切にしながら、このような時でも明るく頑張っております子どもたちのために、各学校を一層応援していただきたいと存じます。

 私どもも、生徒たちの明るい笑顔から元気をもらって頑張っていこうと思っております。

 最後になりますが、校長協会といたしましては、これからも高等学校PTA連合会の皆様方と十分に連携しながら、埼玉教育の充実に努めてまいりますので、各学校を活性化するためのアイデアなど、皆様のお知恵を校長までいただければと思っております。よろしくお願いいたします。

 結びに、本日の総会・研究協議会の御成功と高P連の益々の御発展、また、お集まりの皆様方の御健康での御活躍をお祈り申し上げ、あいさつとさせていただきます。

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