熊谷哲郎 県高P連会長挨拶
(春日部女子高等学校 後援会長)

熊谷哲郎

 昨年に引き続き高P連の会長を務めさせていただくこととなりました。この1年間、皆様方にはご指導、ご支援をいただきありがとうございました。本年度もよろしくお願い申し上げます。

 未曾有の被害をもたらした昨年3月11日の東日本大震災では、各校PTAの皆様には、義援金をはじめ、物心両面にわたりいろいろとご支援をいただき、ありがとうございました。被災地の復旧・復興は長期にわたる見通しであり、全国高P連では本年度も義援金の募集を継続することとなりました。引き続き皆様方のご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

 いま、少子高齢化や核家族化、IT技術の進歩に伴うコミュニケーションのありかたなど、大きく変化していく社会の中で意識や価値観が多様化してきています。また、地域・家庭における教育力の低下が懸念されています。

 「今の子どもたちは親の背中を見て育っていない」と言われます。多くの親の仕事場が家庭から切り離され、子供は親がどのような仕事をしているのかも知らず、また、地域の人間関係も希薄となり、人々の絆が薄くなってきている、という現実があります。

 しかし、どのような状況であれ、私たち保護者が子供たちに期待するのは、生きる力を養い、心身ともに健全で心豊かな人間として未来を明るく生き抜いてほしい、このことにつきると思います。

 今回の震災では、県内でも多くの高校生がボランティアに積極的に参加しました。「自分も社会の一員として認められたい」、子供たちはこうした社会的な役割を果たそうとする力を秘めています。子供たちの「確かな自分づくり」の力を引き出すためには、学校のみならず、家庭・地域が協力し、子供たちの自らの中にある成長性に水遣りをする、そのような環境作りが必要と思います。

 私たちは、保護者として、社会において自立できる子供を育てていく役割を担っています。子供たちの人間力、生きる力をはぐくむためにも私たち大人も自らが学び「保護者力」をつけていくことが大切ではないでしょうか。

 いよいよ来年7月に第59回関東地区大会埼玉大会が大宮ソニックシティを会場に開催されます。大会実行委員会では年内に概要を決定する予定で、充実した大会となるよう、皆様にはご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。また、埼玉県高P連創立50周年事業ついても節目の年にふさわしい内容にすべく、検討を重ねてまいります。

 なお、全国高P連では生徒数の減少や各種補助金の廃止・削減により、本年6月の総会で、平成25年度から会費を現在の生徒1人当たり年間12円を20円に値上げすることが決定されました。埼玉県の対応については、諸課題等について皆様のご意見を伺い、検討していきたいと考えています。

 経済の低迷による将来への不安、ネット依存やいじめ、薬物乱用など、子供たちを取巻く問題は山積しています。私たちは保護者として傍観しているわけには行きません。「いま私たちに出来ること・やらなければならないこと」を共に考え、健全育成に向け手を携えていきたいと思います。よろしくお願いします。

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