私たちのチャレンジ〜学力向上の取組み〜

社会に貢献する聡明な女性を育て地域の期待に応える
松山女子高校校長 真下峯子

 素直さと、十分な伸びしろを持つ生徒達の能力と可能性を信じ「女の子だから」という枠にはめずに成長させたいと考えている。

 高校生の学びが、教えられたことだけを覚え、そのことに限定して出されるテスト問題が解けて満足するというようなものである限り、新しい時代に生きる生徒達の能力を伸ばすという学校の使命を果たせてはいないのである。

 生徒達がこれから生きる時代は「正解のない課題の解決や経験したことのない事態を自分の力で乗り越え切り拓いてゆく力」が重要になる。

 松山女子高校では平成23年度より進学力グレードアップ推進校としての取り組みを核に学力向上に取り組んでいる。結果は、5教科学力の向上として現れるが、そのベースは丁寧な生徒指導、感性を育成する芸術、体幹を鍛える体育、高い志を維持させるための進路指導体制である。

 それらの支えの上で学力向上を(1)生徒の視点(2)指導者の視点から整理した。

  • なぜ学ぶのか…
    生徒達や、学校説明会に訪れる中学生には絶えずこの質問を投げかける。「学ぶことは将来、社会に貢献できる自分になるための基礎的力をつけること。」まずは知識を身につけ、学問的なおもしろさを知り、専門性や使命感を持つことで初めて社会に貢献する力が身につくのだと語り続けている。
  • 自分の力を信じる…
    能力や可能性を持ちながら、その力を十分に伸ばしきれないでいる女子生徒は多い。本当に残念なことである。生徒の志を育てるために、学校・家庭とは別の世界を経験させたいと考える。外部機関と連携したイベントへの参加、第1線で働く人々の生の声を聞く機会の設定、上級学校を卒業した後の自分の姿を思い描けるようなプログラムを用意している。
  • 新入生学習合宿…
    入学後すぐの学習合宿では、高校での予習→授業→復習→テストのサイクルを経験し、授業を理解するにはこのサイクルが重要であることを生徒達は体感している。それとともに、この合宿で、生徒達は学び合うことで1人ではできないこともできるようになることを実感して学びとっている。
  • 生徒の学力を伸ばす授業…
    予習も復習もなし(要するに家庭学習なし)で受けてもわかる授業が、本当に生徒を伸ばす良い授業であるのかを議論した。松女で目指す授業は、生徒を鍛える授業でありたいと考える。
  • 特に数学科の取組…
    すべての教科で授業改善に向け取り組んでいる。特に数学科では若手にベテラン数学教員も加わり、互いに切磋琢磨しながら授業研究を進めている。授業力は授業研究、相互参観、学びあいなどの授業カンファレンスにより向上する。総合教育センターの指導主事や数学指導者のエキスパートの師範授業の見学、授業をビデオに取り、自らの授業に対してコメントする取り組みを続けた。さらに、数学以外の教科の授業参観も含めて、積極的な授業参観、ビデオ撮影・相互コメントを継続している。

 松山女子高校では今後も自校の実践で、生徒の能力を伸ばすことができているのかを問い続けながら、学校全体で教育活動に取り組んでいく。

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