関東高P連埼玉大会 感動を残し終了する

県立鳩山高校 PTA会長 田 右子

 第59回関東地区高等学校PTA連合大会埼玉大会が7月3日、4日の2日間にわたり大宮ソニックシティを会場として開催されました。大会のテーマは「未来を彩れ 人の輪で〜子どもたちのためにDo Your Best〜」です。

華やかなアトラクション

 大会1日目の全体会には、関東各地から集まったPTAの方々2689名が参加されました。アトラクションとして、県立熊谷高校PTAコーラス「コールあかいらか」による女声合唱と県立川口高校書道部による書道パフォーマンスが行われ、共に華やかなパフォーマンスが披露されました。

 「コールあかいらか」の皆さんは『歌が生まれる』『秋桜』「女声合唱のための『熊谷高校校歌』」『ぜんぶ』『Stand Alone』の5曲を披露し、また、県立川口高校書道部は曲に合わせて巨大な書道作品を3つ創り上げてくれました。両校の演技内容の質の高さと華やかさにより、会場内は大きな感動に包まれました。


県立熊谷高校PTAコーラス

県立熊谷高校PTAコーラス

来場者を歓迎するコバトン

県立川口高校書道部パフォーマンス

県立川口高校書道部パフォーマンス

大会宣言文の発表


埼玉大会開会式

前年度開催県に感謝状贈呈

 全体会では、まず、関東地区高等学校PTA連合会会長 熊谷哲郎氏が主催者あいさつをされ、「私たちは保護者としてできること、やらなければいけないことを考え、子どもたち自らの中にある成長に水やりをする、そのような取組が必要ではないでしょうか」と訴えられました。また、全国高等学校PTA連合会副会長 三輪一朝氏が同じく主催者として、現在抱えている教育上の課題解決にむけての高P連の役割について話をされました。表彰状贈呈、感謝状贈呈が行われた後、来賓祝辞に移り、埼玉県副知事 岩ア康夫氏が上田清司知事のメッセージを読み上げられました。さらに、埼玉県議会議長 細田徳治氏、埼玉県教育委員会教育長 前島富雄氏、さいたま市教育委員会教育長 稲葉康久氏、埼玉県高等学校長協会会長 細田宏氏が祝辞を述べられました。

 祝辞の後、「人の輪で、確かな学力と自立する力を育てよう」「人の輪で、社会の担い手としての自覚を育てよう」「人の輪で、自分を律する心と他者を思いやる心を育てよう」「人の輪で、家庭の教育力を高め、親子が共に成長できる場にしよう」「人の輪で、災害から『命』を守る教育を進めよう」の大会宣言文が声高らかに発表されました。

 最後に次期開催県代表あいさつが群馬県高等学校PTA連合会会長 丸茂洋一氏から、参加者代表あいさつが前千葉県高等学校PTA連合会会長 橋孝宏氏からありました。

茂木 健一郎先生の講演




茂木健一郎先生の記念講演

 全体会終了後は記念講演となり、脳科学者 茂木健一郎先生が『子どもの未来を豊かにする親の知恵』の演題で講演されました。茂木先生は春日部中学校を卒業されていますが、この講演前にもお母様と一緒に大宮で食事をされていたとのことでした。講演は、お母様が子どもである茂木先生に対して行った子育ての話から楽しいトークは始まりました。茂木先生は東大理学部を卒業後、東大法学部まで卒業し、その後東大理学部博士課程を修了し、ケンブリッジ大学の研究員をされた文字どおりの秀才です。子どもの頃からずっと成績は一番だったそうですが、ガリ勉的というかドリル勉強のようなことはまるでしなかったそうです。

 お母様は茂木先生が5歳の時に近所に住む大学で昆虫学を研究している方に弟子入りさせ、この昆虫学者と行動を共にさせたそうです。この5歳から8歳の頃に科学する脳がグンと伸びたと茂木先生は述懐されています。さらに茂木少年の脳をグンと伸ばした要因は大量の読書だと述べられていました。

 茂木先生は小学校5年生のときにアインシュタインに関する本を読みものすごく感動したそうです。その時点で僕は将来東大に行き、物理学をすると決めたそうです。目標はアインシュタインですから、受験勉強レベルの内容は楽なものでした。その視点で生活していたから東大入試も苦労しなかったそうです。

 先生は、「ドリルのようなことを毎日やっても脳は伸びない」、「子どもの脳は感動がないと伸びない」、「その感動は何でも良い」そして、「偏差値に振り回されていては子どもを伸ばせない」、「子どもを伸ばすには学ぶ喜びだけを大事にすること」を脳科学者の視点から語られました。

 周りが話していてうるさく、テレビの音がうるさくてもそんなことは全く気にならず、学ぶ喜びだけを感じて集中するような状況になると脳の中でドーパミンがどっと出てくるそうです。そして、現代という難しい時代を生きて行くには「信じられるのは、今ここの自分の努力だけだ」ということをお子さんに伝えてほしいとも述べられていました。また、親としては、「子どもが大学受験に失敗した時に何と言ってあげられるか」、「大学に行かなくなってしまった時に何て言ってあげられるか」、「就職しないでブラブラしている時にどう手助けできるか」ということだけを考えていればよいと述べられていました。

 しかし、このことは本当に難しいことであり、親としての資質が試されていると私は感じました。

 全体を通して、聴衆を魅了した素晴らしいトークでした。

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