創立50周年特別企画『夢にむかって あきらめないで 自分の道を』〜 川内優輝氏の母と語る 〜

創立50周年 特別企画

川内美加様の講演
川内美加様の講演
特別企画の対談
特別企画の対談
熱心に聞きいる参加者
熱心に聞きいる参加者

 記念式典終了後に、特別企画として記念講演と対談が行われました。

 講師は、市民ランナーとして活躍されている川内優輝選手のお母様でいらっしゃる川内美加さんです。

 美加さんは、3人の男のお子さまを立派に育てあげられ、平成24年には「走れ、優輝!」(中央公論新社)を出版されました。本書は大変な好評を博し、現在重版中とのことです。

 優輝選手は長男で、埼玉県庁に勤めながらさまざまなレースに出場し、好成績を収めています。そんな優輝選手の幼い頃からのエピソードや、子育てなどをお話して下さいました。

 お母様がおっしゃるには、決して特別な子育てをされてきたわけではなく、自分自身も一緒に成長する毎日だったそうです。

 優輝選手が走るようになったきっかけは、埼玉に引っ越してきて間もない頃に出場した「ちびっ子健康マラソン大会」の小学校1年生1500mの部で5位に入賞したことだそうです。それからは、翌年の大会に向けて日課に走る練習を取り入れたとのことです。最初は近所の道路を走らせ、成果が上がってくると、安全な練習場所を見つけては連れて行くようになったそうです。雨の日は練習を休みにしましたが、息子さんたちがいやいやでも練習を続けていたのは、走らなければ1日が終わらないようにしてしまったからだとおっしゃっていました。

 記録を更新したときには、ご褒美として食べたい物や飲みたい物を買ってあげましたが、遅いタイムのときは罰として3kmほどある道のりを家まで走って帰らせたとのことです。これは、子どもにとっては天国と地獄だったようで、今思うと自分自身が熱中し過ぎてしまい自分を見失っていたと思いますと、母親としての反省も語っておられました。しかし、優輝選手の継続力と最後まであきらめない気持ちは、この頃の練習で身についたのかもしれないともおっしゃっていました。

 その後、優輝選手が中学、高校、大学と陸上を続けてこられた様子をお話しされました。決して順風満帆ではなく、多くの挫折を味わい、怪我にも悩まされてきた紆余曲折の様子が窺えました。

 現在は、自分の意志で走り、怪我も少なくなり、旅行にも行ける、本来自分がやりたかったスタイルにようやくたどり着くことができ、本人は夢中なのですと語っておられました。優輝選手の将来の目標は、生涯現役で国内外を問わず多くの大会で走ることだそうです。

 最後に、会場の保護者に向けて、「高校生は、未来も可能性もたくさん持っています。親の思い通りにはならないことも多くあると思いますが、いつも一番の理解者であり、いつでも家庭は一番安心できる場所でありたいですね。」と結ばれました。

 講演に続いて対談が行われました。聞き手は、川越女子高校前PTA会長高嶋晶子さんと、和光国際高校前PTA会長竹之内千夏さんで、和やかに進められました。

 最後に、熊谷哲郎実行委員会顧問からの謝辞と花束贈呈があり、1時間半にわたる特別企画は大きな拍手の中で終了いたしました。

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