第60回関東高P連群馬大会に参加して

県立坂戸西高校 PTA会長 深迫 国宏

開会セレモニー
開会セレモニー
東喜代雄前会長の参加者代表挨拶
東喜代雄前会長の参加者代表挨拶

 「育てよう 若人のたくましく生きる力を〜若人のためにPTAの連携の風を起こそう〜」をメインテーマとして、「水と緑と詩のまち」前橋に位置する群馬県総合スポーツセンターALSOKぐんまアリーナを会場として、一日目の全体会が行われました。二日目は、5つの分科会が、伊香保の各ホテルを会場として行われ、関東地区の各県から3000名の会員が集い、有意義な2日間となりました。

 全体会に先立ち、群馬県新島学園高等学校聖歌隊によるハンドベルの繊細な演奏と群馬県立高崎高等学校和太鼓部による勇壮なアトラクションが披露されました。

 開会の言葉、国歌斉唱で全体会が始まり、主催者あいさつに続いて、高校PTA活動において特に著しい功績が認められた役員と団体に対し表彰状贈呈が行われ、埼玉県高等学校PTA連合会会長大山重徳氏に感謝状が贈呈されました。群馬県知事をはじめ5名の方々から来賓の祝辞をいただきました。さらに、大会宣言文が発表され、群馬大会のメインテーマを踏まえた学校・家庭・地域社会が連携協力する活動の組織を挙げての邁進が宣言されました。

 次回開催県の栃木県高等学校PTA連合会長のあいさつの後、参加者代表のあいさつとして、長らく御尽力なされ、今大会で表彰もされた埼玉県高等学校PTA連合会前会長の東喜代雄氏が、昨年の埼玉大会のピンク色のユニフォーム姿でユーモアを交えて、この大会の素敵な出会いと尊い学びの機会とに感謝の言葉を述べられ、全体会の閉会となりました。

 続いて行われた記念講演は、「残したい 伝えたい 日本の歌」と題し、講師として声楽家の安田祥子氏をお招きして行われました。

 安田氏は、子供のころ童謡歌手として活躍し、その後、東京芸術大学へ進学し、大学院修士課程を修了なされました。妹の由紀さおり氏と国内外で多くの公演を重ねています。昨年、童謡・唱歌などを通じ、日本語の美しさや日本人の心を広く伝えた活動が評価され、文部科学大臣表彰を受けました。

 講演では、「ゆりかごの歌」「ひな祭り」「七夕」など、さわりだけの歌も含めて、のべ33曲の日本の歌を披露してくれました。

 「日進月歩の社会の中でいそがしい思いをしている。今のはやり歌は、言葉が耳に届いてこない、音の歌で、言葉が歌にならず、歌が聴くものではなく、観るものになっている。

 昔の歌は言葉が難しいといわれるが、意味は後からついてくるものですべての歌の言葉の意味を理解して歌っているわけではない。折に触れて何気なく家で口ずさむ歌は、耳から耳へ、口から口へ伝わってきた。そこにはゆとりがあった。

 日本の歌は一つの音符に一つの音でゆったりしている。「花」の歌詞の「はるのうららのすみだがわ」の「が」の音は優しい音の鼻濁音で歌う。今は鼻濁音を教えないので、角のある「が」の音で歌っている。

 ゆったりとした日本の歌、情緒豊かな日本の歌には、たおやかな時間が流れる。母国語としての日本語には美しさ、見えないものへのいたわり、思いやり優しさがある。こどものための歌がこれほどあるのは日本だけで、21世紀の主役の子供たちへ歌い継ぎたい。」という内容でした。

 途中、1〜12月までの各月の代表的な日本の歌を披露され、会場も次第に一体となり一緒に歌いました。

 最後に「大きな歌」を会場の正面の大スクリーンに映し出される安田氏の手話を見よう見まねで覚えながら、手話を交えて会場のみんなで歌い上げ、80分間の講演はあっという間に終了しました。講演を終わって、穏やかで豊かな気持になっている自分がそこにいました。

 急速に変化する社会の中で、改めてPTAの果たす役割の大きさを自覚することができた大会でした。

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