教育活動紹介

国際理解教育の推進 海外修学旅行の取組

県立草加高校 校長 長谷川 浩

 平成23年4月、本校は創立50周年を迎えた。「歴史の街に半世紀 百代の夢 いま希望の風に乗る」。このスローガンのもと、新たな一歩を草加高校は踏み出した。

 時あたかもグローバル人材の育成が急務とされていた。そこで、平成24年度入学生の修学旅行は、本校初の海外修学旅行を行うことを決定した。東部地区県立高校としては、初めての海外修学旅行となった。

1 事前学習の実施

 次の4事業を行った。

  1. 獨協大学留学生との交流
    獨協大学の留学生を本校に招き、各クラスで国際交流を行った。
  2. 「世界へはばたけ育成塾」
    県青少年課事業、世界で活躍する企業の方に講演を依頼した。
  3. 国際交流受け入れ
    台湾から来日した高級中學の生徒達を受け入れ、交流会を行った。
  4. 「外務省高校講座」の実施
    外務省の事業に参加し、外務省現役職員に講義をお願いした。

2 海外修学旅行の実施

故宮博物院の前で記念写真
故宮博物院の前で記念写真

 第1回(平成25年度)・第2回(平成26年度)とも、10月下旬に台湾への3泊4日で実施。どちらもトラブルなく行うことができた。多くの生徒にとって、高校時代の海外体験は、将来必ず役立つと考えられる。

 特に、現地校との交流では大歓迎を受けて、最高に楽しい時間となった。歓迎交流会では双方のパフォーマンスで盛り上がり、授業や部活動、昼食会や一対一の交流等、若者同士が相互理解を図り、友情を深めた。

 更に、現地大学生が付いたグループごとの台北市内見学も生徒にとって、楽しい一日となった。

 今回の体験で、生徒達は主体的に世界にチャレンジする気持ちを意識化することができた。海外修学旅行で得た体験は、国際社会で活躍するパスポートを手にしたと言える。

3 グローバル人材の育成

 埼玉県は、「脱内向き」をスローガンに、「世界を目指す『志』育成事業」等を推進し、将来世界で活躍できる人材育成を図っている。海外修学旅行は、一部の生徒でなく全校生徒が世界に目を向ける、またとない有効な機会である。

 平成27年度、本校はグアムへの修学旅行を予定している。多くの学校が安心して海外修学旅行を計画してほしい。

伝統校復活を目指して〜41年ぶりの東大合格〜

県立秩父高校 校長 吉田 光利

同窓会が作製した看板
同窓会が作製した看板
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100周年で改築された図書館

 本校は、創立107年目を迎えた伝統校である。卒業生は2万6千名を超え、各界でリーダー的存在として活躍されている。そうした卒業生や地域の人々の本校へ寄せる期待は非常に大きい。特に、秩父地域唯一の進学校として、進学実績には強い関心を持っている。

 こうした期待に応えるべく、本校は平成14年に県内の公立高校では初めてとなる「特別進学クラス(以下、特進クラス)」を設置して取り組んできた。その結果、近年では卒業生の10人に1人の割合で、国公立大学に現役合格するようになった。特に、この3月には東大現役合格者を出すことができた。東大合格は、実に41年ぶりのことである。

 本校の過去に目を向けると輝かしい歴史がある。昭和30年代初期と50年前後には、東大合格の他、埼玉大学だけでも一年で20名近くが合格している。部活動でも多くの部が全国大会や関東大会に出場し、昭和54年度には音楽部がNHKコンクールで金賞を受賞している。

 しかし、その後昭和60年代から平成10年前後にかけて下降線を描くことになる。特に、国公立大学への合格者数が減少の一途をたどる。

 そこで、かつての実績を取り戻すべく、「特進クラス」を創設したのである。それから早や12年。前述のとおり着実に成果を上げてきているが、かつての実績に追いつくにはもう一踏ん張りである。

 現在では、特に「学力向上」と「志の育成」に力を入れている。前者については、7限授業、毎朝の全校一斉小テスト、土曜日補習など、学習指導に精力的に取り組んでいる。また、後者については、進路講演会、年数回の個人面談、キャリア教育、大学見学会、SPPなどを組織的に進めている。併せて、本年度は県教育委員会から「学校進学力パートナーシップ推進事業」の指定を受け、生徒の思考力・表現力の育成や教員の授業力向上に努めている。

 さらに、部活動、学校行事、国際交流事業、体験活動なども積極的に推進し、知徳体の調和のとれた有為な人材育成に取り組んでいる。

 本校では、これからも「伝統校復活」を目指し、教職員一丸となって前進していく所存である。

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