輝く高校生

東北ボランティアの取り組み

県立上尾橘高校 主幹教諭 鈴木 和彦

耕作放棄されたビニールハウス内を片付ける生徒たち
耕作放棄されたビニールハウス内を片付ける生徒たち

 今年で4年目となる東北ボランティアに、生徒23人を引率してきました。7月21日夜10時に本校をバスで出発。南三陸町には翌朝の5時には到着してしまいました。復興のダンプカーによる渋滞を見込んでの出発でしたが、大型車両はほとんどなく、瓦礫は片付いて広い空き地ばかり。朝早いこともあって静けさが不気味でした。復興が全然進んでいないことを実感しました。

 「南三陸ポータルセンター」で着替え、最初の活動場所である長須賀海浜公園に移動。ビーチにある金属やガラスの破片などを拾いました。中には4人がかりで運ぶ巨大な流木もあり、「5歳の子どもが裸足で走れる」状態にはまだ遠いと思いました。現地の人が、『人骨が出るかもしれないが、まだ遺体を探している人がいる。その人に返せればとてもうれしい。』と話してくれました。まだ遺骨を探している人たちの想いを感じたとき、役に立ちたいという気持ちが生徒達に生まれ、暑い中でも本当にがんばってくれました。

 次に、志津川大上坊地区という所で、震災で耕作を放棄されてしまったビニールハウスを農地として再生するための除草作業をやりました。ハウス内は約40度の暑さ。普段は一人で作業をされており、全員でやれば早いだろうと、生徒は張り切りました。再生後に栽培する予定のミニトマトがとてもおいしく、このあとの昼食や入浴時間などがきつくなるほど張り切ってくれました。

 南三陸の人たちは、私たちをとても温かく迎えてくれました。明るい笑顔が印象的で、もっとこの人たちのためにがんばりたいと生徒は口々に言っていました。私たちはすごく感謝をされ、それはそれでうれしかったのですが、復興のことを考えると、少ししか役に立っていないような気がしたのも事実です。ただ、高校卒業後もボランティアを続けたいという生徒や、来年は後輩を連れて参加したいという者も現れて、生徒の心の中に、大事な気持ちを育てることができたと思います。

 第一回より、PTAからのご支援を賜っています。生徒の成長を目の当たりにすると、この事業を継続させていくことの大きな意義を感じています。これからもよろしくお願いいたします。

「良き友との出会い」

県立坂戸西高校 3年 深迫 初音

ソフトボール部の仲間たち
ソフトボール部の仲間たち

 私は、中学校時代ソフトボール部に所属していました。そこでは、ソフトボールの楽しさを知り、高校でも続けていこうと決め、坂戸西高校を選びました。選んだ決め手は二つあります。一つは、雰囲気でした。夏休みの部活動体験で練習に参加した際に、先輩方の雰囲気がよく「楽しい」という印象を受けました。二つ目は「やる時はやる」と言うメリハリをつけてやっている所でした。

 実際に入部すると、印象と変わらない雰囲気でしたが、技術面・体力面では中学校とは大きく違い、特にプレーのスピードには、すぐにはついていくことができませんでした。しかし、できなかったプレーができたときは、嬉しくて「もっとできるようになりたい」という気持ちで練習に取り組みました。

 ソフトボールは、チームプレーです。一つのことを成し遂げるためには、人との協力・和が必要です。こうした経験から、部活動を通じて「友達の大切さ」を学びました。

 故障をして練習に参加できず、気持ちが揺らぎ、周りが見えなくなっていたときに、先輩や同級生が怒ってくれたのを覚えています。そのときに怒られて「やらなければいけない」という気持ちになりました。今は、その時に怒ってくれた先輩や友達に大変感謝しています。そんな友達がいたから、つらい事も乗り越え、最後までやり切ることができたと思います。

 これから先、自分のことを真剣に怒ってくれるような友達は少なくなっていくと思います。ソフトボールを通して、苦楽を共にした友達とは同じ目標に向かって同じ時間を過ごし、辛い練習を乗り越えて来たからこそ信頼関係ができたのだと思います。

 このソフトボール部での出会いは、かけがえのないものです。ここで出会った友達は「生涯の友」として大切にしていきたいです。

 人は一人では生きていけません。何をするにも、一人でやるとことは難しいことです。そんな時に「友達」という存在は、なくてはならないものです。本当に私は良い出会いをしたと思っています。中学三年生の時に、坂戸西高校を選び、ソフトボール部に入部して本当に良かったと思っています。

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