山紫水明の地にて 山梨大会〜第62回関東地区高等学校PTA連合会大会山梨大会報告〜

県立熊谷西高校 PTA会長 永井 幸子

メインテーマ

「自立〜たくましく、しなやかに〜」

サブテーマ

  1. 主体的に学び、考え、行動する
    たくましい力を持った人間を育成する
  2. 「自立」した個人の育成に向け、「生きる力」を身につける教育を推進する
  3. 「思いやりの心」と「しなやかさ」を育む教育を推進する
  4. 教育力と包容力のある、家庭、地域社会づくりに努める
  5. 支え合い、高め合い、自立をめざし、社会に参画することのできる特別支援教育を推進する

 7月8日(金)、9日(土)に第62回関東地区高等学校PTA連合会大会が山紫水明の地、山梨県で開催されました。大会第一日目は「自立〜たくましく、しなやかに〜」をメインテーマに掲げ、甲府市小瀬スポーツ公園武道館を会場に、3000名余が参加して全体会と記念講演が行われました。大会第二日目はコラニー文化ホールの他、全4会場に分かれて5つの分科会が行われました。

 開会式前のアトラクションでは山梨県立北杜高等学校ギター部による素敵な音色の演奏を、甲府市立甲府商業高校ソングリーダー部には躍動感あふれる踊りを披露していただきました。また山梨縣等學校應援連盟には力強い気合のこもったエールで大会を多いに盛り上げていただきました。

 開会の言葉、国歌斉唱で全体会が始まり、関東地区高等学校PTA連合会 上野和也会長、一般社団法人全国高等学校PTA連合会 佐野元彦会長の主催者挨拶がありました。


全体会(應援連盟の演技)

 両氏とも、「子どもたちが自ら進んで学校に行く、学びに向かう、自分の人生に立ち向かう」その環境づくりを各行政機関や地域の協力を得て、私たち家庭と学校がタッグを組んで行っていく、子供を取り巻く環境の変化を理解し保護者も子どもと共に成長して支援者、伴走者となる視点を持つことが大切だと熱く語っておられました。

 続く表彰状贈呈では高等学校PTA活動において特に著しい功績が認められた個人48名と9つの団体に対し表彰状が贈られました。

 次に山梨県知事 後藤斎様、山梨県教育委員会教育長 守屋守様、甲府市副市長 工藤眞幸様、山梨県高等学校長協会長 坂本明大様より来賓の祝辞をいただきました。

 後藤様は山梨県の魅力を伝え、そして次世代を担う若い人たちには大村智先生を目標に努力してほしいと、人材の育成事業に取り組んでいるとお話しされました。守屋様は子どもたちが「夢と希望に向かって自ら学び考える・行動するたくましい力や、他者を思いやり社会の絆を深めるしなやかな心」を持つためには、家庭や地域社会との密接な連携と多方面からの力添えが大きな支えになるとお話をされました。工藤様、坂本様は、人口減少・少子高齢化やグローバル化の進展、情報端末の普及、18歳選挙権など子どもたちを取り巻く環境の急速な変化に触れ、PTA活動の役割と重要性についてお話をされました。

 続いて大会宣言文が発表され、満場一致で採択となりました。次期開催県、神奈川県立高等学校PTA連合会 大石幸和会長の挨拶、茨城県高等学校PTA連合会 大堤雄一前会長より参加者代表挨拶をいただき全体会の閉会となりました。


大村智先生の講演

 記念講演では2015年、ノーベル生理学・医学賞を受賞された北里大学特別栄誉教授の大村智先生に「私の半生を振り返って」という演題でご講演をいただきました。

 1935年、山梨県でお生まれになった先生ですが、3歳の頃の写真に始まり、多くの写真を交えて生い立ちを語ってくださいました。物事の考え方で影響を受けた人物は少年期に身近にいた祖母で、「世の中で一番大事なことは人の為になる事」と繰り返し聞かされたそうです。学生時代はスキーで国体にも出場されました。高いレベルの中に身を置き切磋琢磨する、しかしそれを超えるためには人の真似をしていては駄目だと教えられたそうです。山梨大学卒業後、都立高校で化学と体育を教えている時に熱心な学生の姿を見て勉強の大切さを再認識し、このままではいけないと東京教育大学(現・筑波大学)で聴講生となり東京理科大学で修士課程を修了、研究者となっていきます。更に若い人材の育成にも力を注ぎ「人の役に立ちたいと努力する」「人と人の出会いを大切にする」「失敗を恐れず挑戦し続ける」このような考えを持ち実践してこられた大村智先生に盛大な拍手が送られました。

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