第64回関東地区高等学校 PTA連合会大会栃木大会報告

県立越谷南高校 後援会会長 榎本文夫

 7月6日(金)、7日(土)に第64回関東地区高等学校PTA連合会大会が栃木県で行われました。

 今年は観測史上最も早い梅雨明けで、早過ぎる夏の到来に戸惑っていましたが、幸い当日は恵みの雨となり、まるで避暑地を訪れたような涼しさでした。

 会場のマロニエプラザに入ると、何とそこにはご当地キャラクターのとちまるくん・ミヤリーちゃん・日光仮面の三人?がお出迎え。思わず笑顔になると共に、栃木愛を感じつつ受付を済ませました。

 先ずはアトラクション。県立黒羽高校太鼓部による艶やかで勇壮な演奏と、県立宇都宮南高校吹奏楽部による「ジャズのまちうつのみや」を彷彿とさせる魅力一杯の演で、会場の雰囲気を盛り上げてくれました。本大会はメインテーマ「考え、行動につなげよう?変化の激しい社会に生きる子どもたちの社会的自立を支える者として?」を掲げ、一日目はマロニエプラザで全体会、二日目は五か所の会場に分かれて各々分科会が行われました。

 全体会では開会行事に引き続き、これまでPTA活動にご尽力下さった個人51名と12団体に表彰状が贈られた後、「大会宣言文」が採択されました。そして次期大会開催地《埼玉県》が発表され、埼玉県高P連小林会長から次期大会へ向けて熱い決意表明があり、全体会は終了しました。

 記念講演は、日光東照宮特別顧問・高藤晴俊氏による「世界文化遺産・日光東照宮の謎と真実」と云う、とても興味深い演題でご講演いただきました。高藤氏は栃木県日光市に生まれ、日光東照宮で昭和41年から実に41年間、定年で退職されるまで奉職にあたられたそうです。

 その間に東照宮の建造物や彫刻の調査研究を行い、数々の新発見や解釈を発表されていて、今回はその中から、貴重なお話をユーモアたっぷりにとても分りやすい内容で説明して下さいました。

 五重塔の特徴としては、その工法が独特で、塔を貫く心柱の《懸垂式》が免震機能を果たしており、それは「東京スカイツリー」の制震シスムにも応用されています。

 また、東照宮の彫刻には深い意味があるそうで、彫刻に込められたメッセージについても詳しく説明されました。

 中でも特別な意味が込められたと思われるのが、陽明門上層にある「唐子遊び」と云われる子どもの彫刻です。「唐子遊び」にはいろいろな場面があり、遊びの中で喧嘩をしていたり、はたまたイジメている子どもとイジメられている子どもがいたりと、さまざまな場面がある。

 しかし、その中で最も目立つ南側正面中央にあるのが、司馬温公の《かめ 割り》をテーマにした彫刻で、父親の大切にしていた水がめ に落ちた友を、自らそのかめ を割って助けた場面があり「どんな高価な物よりも命は尊い」事を表している。子どもの遊ぶ姿、即ちそれこそが家康が望む「人の命が尊ばれる平和な社会」を象徴しているということでした。

 講演の後、きっと誰もが東照宮の世界に引き込まれ、一度彫刻だけでもじっくり見て廻りたいと思わせてしまうような、素敵な内容でした。

 そして二日目。日光市内五つの会場で行われた分科会では、各会場ごとに分科会のテーマに沿った提案発表が二校あり、それぞれが工夫を凝らされた内容で、今後のPTA活動に向けたものや、子供たちの未来を応援するものでした。

 分科会終了後は会場ごとに閉会式が行われ、大会は無事閉幕。

 大会終了後の教育視察には、勿論「日光東照宮」も含まれており、その企画の素晴らしさに改めて感動を覚えた《栃木大会》でした。

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