熊谷哲郎 県高P連会長 挨拶
(春日部女子高等学校PTA会長)

【写真】熊谷哲郎氏

 平成23年度、埼玉県高等学校PTA連合会の会長を務めさせていただくことになりました。微力ではありますが、全力で務めさせていただく所存ですのでご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。また、松本前会長はじめ前期役員皆様方には高P連のためにご尽力いただき、厚く御礼申し上げます。

 平成23年3月11日に発生した千年に一度といわれる未曾有の「東日本大震災」は巨大津波や、原発事故等により東北・関東地方に甚大な被害を及ぼしました。被災された皆様には心からお見舞い申し上げます。今回の震災に対し、県内各高校のPTA・団体の皆様には義援金募集活動にご協力を頂きありがとうございました。埼玉県には6月末で200人近い高校生が被災地より転入しています。今後ともご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

 核家族化や少子化が進み社会のあり方が大きく変わりつつある中で、家庭や地域社会の教育力の低下が指摘されています。家庭教育とは「親が子どもに家庭内で、言語や生活習慣、コミュニケーションなど生きていくうえで必要なライフスキルを身につける援助をしてやること」(家庭教育学より)と言われます。今日、社会状況や生活環境も保護者の私たちが育った時代とは大きく変わっています。子どもたちに「何をどう伝えていけばよいのか」、これからも取り組んでいかなければならない課題ではないでしょうか。「子どもは社会を映し出す鏡」と言われていますが、子どもたちの社会的迷惑行為が連日のように報道されています。規範意識や倫理観、忍耐力の低下や地域社会における対人関係の希薄化など、状況はあまりよいとはいえないのではないかと思います。残念ながら子どもたちを犯罪に誘い込むような大人社会のモラル低下も大きな問題で、努力はしてもなかなか解決できないという現実もあります。このような時代だからこそ「すべての子どもたちに生きる力を身につけさせる」「子どもの健全な成長を図る」という学校教育とPTAの目的がますます重要になってきていると思います。

 また、最近のIT技術の急激な進歩と普及によりネットトラブルが急増しています。「ネット社会のモラルは現実社会より悪い」警察白書はこう指摘しています。子どもに全ての管理を委ねるのではなく、子どもがネットをどう利用しているのか関心を持つことが必要ではないでしょうか。個人情報などの扱いについて子どもは親が思っているより無防備です。ネットでは相手が善意の第三者とは限りません。有害サイトの危険性を周知し、ルールを守り安全に利用できるよう、ネット教育への十分な取り組みが必要だと考えます。

 第59回関東地区高等学校PTA連合会大会が二年後の平成25年に本県で開催されます。本年度6月の定期総会で埼玉大会準備委員会の発足も承認されました。限られた予算の中で埼玉カラーをどう打ち出せるのか、研修内容をどう充実させていくのか等、準備委員会を中心として本年度中に基本プランを作成し、来県される他県団の皆様に気持ちよくお出でいただけるよう、万全の準備を整えていく予定です。大会の成功に向け、会員皆様のご協力をお願いいたします。

 いま子どもたちを取り巻く環境は厳しいものがあります。経済の低迷や大震災などによる将来への不安、携帯フィルタリング問題、薬物の乱用、虐待、ネットいじめなど、解決を急がれている問題は山積しています。しかし、今回の大震災では多くの高校生がボランティアで活躍し「自分が社会から必要とされている」ことを感じたと思います。高校時代という人生の最も多感な時期に子どもたちが何に悩み、何を欲しているのかをPTA活動を通して共に語れれば、と思います。そのためにも各校のPTA活動での取組みを大切にし、埼玉県高等学校PTA連合会として情報の共有化を図りながら、健全教育のため共に行動し努力していきたいと思います。

 最後になりましたが、皆様のご支援とご協力のほど、重ねてお願い申し上げます。

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