特集 新校紹介

 県立高等学校の再編整備計画等に基づき、来年の4月に県立学校が6校開校します。今回は、特集として、学校で作成された原稿により、これらの新校ついて紹介します。

県立幸手桜高等学校が平成25年4月に開校します

 県立高等学校の再編整備計画に基づき、幸手商業高校と幸手高校が統合し、両校の伝統を引き継ぐ幸手新校が設置されます。幸手新校は現在の幸手商業高校の位置に設置されます。6月の定例県議会において、幸手新校の名称を「埼玉県立幸手桜高等学校」とすることが議決されました。

幸手桜高等学校の開校に伴い、制服を一新 幸手桜高等学校の開校に伴い、制服を一新します。

 幸手桜高等学校は、全日制の総合学科の高校で、各年次240名の定員(予定)となります。ビジネス会計系列、情報マネジメント系列、文理系列の3つの系列を用意して、就職や大学への進学といった進路希望に応えます。

 ビジネス会計系列は、企業で発生する取引を記録、計算、整理して経営成績や財政状態を明らかにする「簿記」や「会計」について中心に学び、就職や大学の商学部、経営学部への進学を目指す系列です。簿記検定、電卓検定、ワープロ検定、情報処理検定等の資格を取得できます。

 情報マネジメント系列はコンピュータの仕組みやソフトウェアについて理解し、実務で必要とされるソフトウェアの活用方法を中心に学び、就職や大学の商学部、経営学部への進学を目指す系列です。情報処理検定、ワープロ検定、簿記検定、電卓検定等の資格を取得できます。

 文理系列は国語や数学、英語など普通科目を中心に学習し、入学試験を受験して大学等の上級学校進学を目指す系列です。

 これらの3つの系列に、それぞれ2つの学習プランを設け、進路の希望に合わせた学習を可能にします。入学時に商業系、文理系のいずれかを選択します。これにより、早い時期から進路を見定めた専門的な学習を進めます。

 幸手桜高等学校の目指す学校像は、

  • 夢を語る学校…生徒が卒業後の進路をしっかりと描き、学ぶ意義を理解して、いきいきと学べる学校
  • 感謝を学ぶ学校…地域との連携により、さまざまな社会体験をとおして、人の役に立てる自分を発見できる学校
  • 使命感をもって巣立つ学校…地域の期待に応え、地域社会に貢献できる人材を輩出する学校

です。生徒たちが、夢を描き、感謝を学び、使命感をもって卒業していく学校を目指しています。

 幸手桜高等学校は、経済社会の発展に貢献するための知識を習得し、社会の一員としての責任感を身に付け、地域の行事や活動に積極的に参画する生徒の育成を目指します。.また、地域や保護者の方々、幸手市商工会・地元企業等との連携を大切にしながら、生徒を育てていきたいと考えています。

県立ふじみ野高等学校開校

1 学校概要

 大井高校と福岡高校の統合により、平成25年度、現大井高校の所在地に開校します。普通科とスポーツサイエンス科(以下、SS科)を設置し、募集人員は普通科160名、SS科80名(予定)となります。

2 目指す学校像

  • 学習と文化・スポーツ活動を両立し、生徒1人1人が自己実現、進路実現できる学校
  • 礼節を重んじ、豊かな心を持った健康な生徒を育てる学校
  • 地域から信頼され、地域社会に「元気、感動、夢」を発信し続ける学校

3 教育活動の特色

【教科指導】

  • 普通科は少人数学級編制(1クラス32名)の上、1学年、2学年の数学と英語は習熟度別授業やさらなる少人数授業により、きめ細かな学習指導を行い、基礎学力の定着を図ります。
  • SS科は普通科の2教科に加え、1学年の国語も少人数授業とします。
  • それぞれの進路希望に対応できるよう、普通科の3学年では10単位分が選択科目となります。
  • SS科では、スポーツに関する専門的な知識を学ぶ本校独自の科目として「SS実習」「スポーツと栄養」「SS講座」を設定します。「SS講座」は普通科でスポーツに興味のある生徒も選択できます。

【生徒指導】

  • 基本的な生活習慣を確立させるために、挨拶・整容指導・遅刻指導等を継続的に行います。
  • 地域におけるボランティアなどの体験活動を充実させ、心身の健全な成長を促します。

【進路指導】

  • 1学年では外部講師による進路講演会、マナー講座、フリーター防止教育、2学年では進路希望別の体験模擬授業、バス見学会、3学年では進路希望に応じた面接指導や論文指導、企業の人事担当者等を招いての模擬面接会など、各学年に応じた進路指導を実施します。

【その他】

  • SS科では1学年で遠泳実習、2学年ではダイビング実習、3学年ではスキー実習を実施します。ダイビング実習では全員がライセンスを取得できます。
  • 運動部は関東大会や全国大会出場を目指します。(平成24年度は陸上部、体操部が全国大会に、剣道部、水泳部が関東大会に出場)
  • 文化部も県の大会で入賞を目指して活動します。(平成24年度は写真部が全国大会出品)

新生!吉川美南高校開校

県立吉川美南高校 平成25年4月、県立吉川美南高校が開校します。

 新校は、T部(昼間部)全日制、定時制、U部(夜間部)定時制を有する総合学科の高校となります。全国的に見てもT部に全日制と定時制をおく例はほとんどなく、新たな取組みとなります。

 新校では、必履修科目のほか、T部・U部合わせて70以上の選択科目を設け、一人一人の進路希望等に合わせて履修できるカリキュラムを設定しました。選択する科目によって「総合教養」「ビジネス」「社会・生活」の3系列に分かれます。

 吉川美南高校の最大の特徴は、T部定時制に進学クラスを設ける点です。多くの方は、「定時制は『働きながら学ぶ』課程」という印象をお持ちかもしれませんが、吉川美南高校では必履修科目が少ないという点を生かし、進学に必要な選択科目を多く置く「進学対応型」のカリキュラムとしました。系列としては、全日制が資格取得や検定合格を目指した「ビジネス系列」が中心になるのに対して、T部定時制は進学を目指す「総合教養系列」が中心となります。これらのことから、T部定時制を「進学クラス」と呼んでいます。

 「進学クラス」は、法令上は定時制ですので4年次のカリキュラムも組まれますが、入学後、履修指導を行うことにより3年で卒業することを基本としています。逆に、3年で進路が決まらない生徒は、4年次に進み、現役生として再度受験に挑戦することも可能となります。

 T部においては、全日制、定時制ともほぼ同じ学校生活を送ります。日課表に一部違いはありますが(「ビジネスクラス」の1限の時間に、「進学クラス」は進学補習等を行います。)、朝から夕方まで同じ時間帯の授業を受けます。放課後に開講する「自由選択科目」の授業で、受験や資格取得に向けた対策も同じように行います。

 また、文化祭、体育祭や修学旅行などの学校行事も一緒に取組みます。部活動についても関東大会以上の大会への参加には一定の制約がありますが、全定が合同でチームを編成します。制服も同じものを着用します。

 吉川美南高校は、吉川高校の伝統を引き継ぎ、また、今まで以上に充実した教育活動を行います。教職員一丸となって「『不屈の精神』で未来を拓け」を合言葉に生徒一人一人の成長をサポートし、社会を支える有為な人材育成に取組んでまいります。

県立豊岡高等学校〜伝統と革新〜

県立豊岡高等学校 平成22年度に、豊岡高校・入間高校の校長、PTA、有識者、市教委関係者、県教委関係者からなる「豊岡高校準備委員会」を発足させ、新校豊岡高校の基本計画を策定してまいりました。現在、それに基づき来年度の開校に向けて鋭意準備中でございます。ここに概要を御説明申し上げます。

1 新校の概要について

(1)新校の設置

 豊岡高校と入間高校を統合し、新たに大学進学重視型単位制高校を設置します。

(2)新校名

 埼玉県立豊岡高等学校 ※名称変更はありません。

(3)設置場所

 現豊岡高校に設置します。

(4)課程・学科など

 全日制課程普通科とし、単位制を導入します。

(5)学校規模

 各年次320人、合計960人の規模とします。

2 目指す学校像

 生徒一人一人の希望する大学への進学を実現し、生徒・保護者の信頼に応える学校

3 教育活動の特色

 豊岡高校の伝統と実績ある教科指導や進路指導、入間高校の生徒一人一人に面倒見の良い生徒指導など、両校のメリットを最大限に活かした新校づくりを行います。その中で大きな特色は「大学進学重視型単位制」の導入です。

 1年次はクラスでの共通授業がほとんどで、その間にガイダンスを生徒に行うことにより、将来の進路について考えさせていきます。

 2年次になると、クラスで行う共通授業は約半分となり、あとの半分は、大学進学に必要な教科・科目や探究を深めたい教科・科目を各自が選択して学んでいきます。

 3年次になると、クラスで行う共通授業が約3分の1となり、あとの3分の2は、2年次と同様に各自が進学に適した教科、科目を選択して学んでいきます。

 それにより、国公立大学文系・理系、私立大学文系・理系など志望先に合わせてオーダーメードの時間割が作成でき、各自必要な教科・科目をより多く、深く学べます。また、単位制により教員数が多くなりますので、少人数授業や進学講習、さらには質実剛健の伝統のもと、部活動も充実します。

 新校豊岡高校では、県民の皆さまのお子さまの進学意欲に積極的に応える学校づくりを推進してまいります。

 引き続き御支援を賜りますようお願い申し上げます。

県立本庄高等学校〜伝統と躍進〜

H24夏期補講「3年センター現代文」117名が受講

 本庄高等学校は創立91年目を迎える伝統校です。この度、埼玉県教育委員会の後期再編整備計画により平成25年度から進学重視型単位制を導入し新たな躍進を目指すこととなりました。

1 学校の概要

 校名及び設置場所に変更はありません。学科等は全日制課程普通科で320名(予定)を募集します。

2 目指す学校像

 目ざす学校像には次の3点を掲げています。

  1. 自主自律の精神を育み、知・徳・体の調和のとれた教育を行う学校
  2. 生徒・保護者の大学への進路希望にきめ細かく対応し、地域からの期待に応える学校
  3. 地域に開かれた、地域の学習・文化の拠点となる学校

3 本当の学力をつける取組

(1) 教科指導の特色

 第1の特色は週当たり34時間相当の授業です。これに伴い来年度からは全校で週2日の7時間授業に加え、隔週土曜日には午前4時間の公開授業を行う予定です。また、1年次の英語と数学では習熟度別授業を計画しています。2、3年次には延べ105の選択科目を置きます。生徒は自分の針路に合った科目を選択し20名前後の少人数で受講しながら大学進学を目指します。選択科目には学校独自の設定科目を置き、大学受験に対応させるとともに教科の専門性を深めさせます。

 次の特色は「総合的な学習の時間」です。生徒はこの時間の「将来設計学習」で将来の針路を展望し適切な科目選択を行います。さらに「探究学習」ではチームでテーマを探究し表現します。

 3つ目の特色は1年次から国公立大学等への一般受験による合格を目指す「特進クラス」を編成することです。

(2) 生徒指導

 基本理念は「時を守り、場を清め、礼を正す」指導です。これまでも組織的な整容指導や遅刻指導を全校で行い、成果を上げてきました。

 新校からは制服を指定し、整容指導や遅刻指導を継続します。

(3) 学校行事と部活動

 文武両道の伝統を引き継ぎ、生徒が主体的に取り組む効率的な行事や部活動を展開します。行事や部活動では自主自律の精神を育み、学力とともに知・徳・体の調和の取れた生徒を育成します。

おわりに

 本庄高校は単位制の仕組みを生かし生徒を育てます。

 詳しくは本庄高校ホームページまでお越しください。

県立草加かがやき特別支援学校

 平成24年7月10日に、埼玉県学校設置条例の一部を改正する条例が公布され、新校の名称が「草加かがやき特別支援学校」に決定しました。

 草加市には、多くの河川が流れていることから、水面が輝きながら流れていくイメージを連想させる「かがやき」をつけることで、地域から愛され、地域と一体になった学校づくりを進めていく。また、「かがやき」には、「子どもたちが瞳を輝かせ、社会の中で光輝く存在として成長できるように」との願いが込められています。

 それでは、学校の概要を説明します。

開校 平成25年4月
設置場所 草加市松原4-6-1(移転後の草加市立松原小学校旧校舎を活用)
設置形態 小学部、中学部、高等部(普通科)を置く特別支援学校
対象とする児童生徒 知的障害のある児童生徒
設置規模 40教室程度
通学区域 草加市全域及び川口市と越谷市の一部

全体図

 工事の進捗状況は、改修に向けた解体工事が8月末まで行われ、改修工事は2月末で終了予定となっています。

 中央棟校舎は新築工事となり、既存の校舎、体育館、プールは大規模な改修工事となります。完成後は、新築同様に仕上がるそうです。また、県内特別支援学校としては、初めて25mプールを持つ学校となります。

 高等部をメインに新校の特長を紹介します。

  • 2学期制をとります。
  • 多様化した高等部生徒の障害の状態、特性応じた教育課程の類型化を図ります。
  • 積極的に社会参加していくためのキャリア教育・職業教育を充実させます。
  • 草加市の地場産業を作業学習に取り入れます。
  • 地域の清掃活動をします。
  • 地域の方とのふれあいの場として、校内にコミュニティーカフェをつくり、生徒の「喫茶・サービス」の学習の場とします。

 平成25年4月には、「草加かがやき特別支援学校」が開校します。ぜひ、校内のコミュニティーカフェにお立ち寄りください。笑顔あふれる生徒がお出迎えいたします。

 ただし、1年目ですので、こわばった笑顔かもしれません。生徒と一緒に校内カフェに名前をつけておきますので、是非、草加かがやき特別支援学校へお越しください。

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