山田 明美 会長挨拶
(上尾橘高等学校PTA会長)

【写真】山田 明美氏 昨年に続き平成21年度も、高P連の会長を仰せつかりました。何もわからないまま無我夢中で会長の責務を果たしてまいりましたが、この一年間さまざまな皆様方のご支援、ご指導でここまで来られたことに深く感謝する次第です。私は埼高P連の会長として全高P連や関東高P連の大会や会議に出席させていただき、他県等のPTA運営を聞くにつれ、埼玉県の高P連組織の力強さを感じました。

 東西南北を中心とする支部活動の力強い活動が高P連活動の礎になっていることを痛感しました。研修1、研修2を通して得られた知識や親睦など大きな成果を上げていることに深い敬意を表し、お礼を申し げたいと思います。

 また各委員会活動のキメ細かい運営なども見させて頂き本当に頼もしく思いました。

 この一年間の活動に携ったすべてのPTA会員に感謝したいと思う次第です。ここで三点述べたいと思います。

 第一点目は、薬物乱用防止に関わる問題でございます。平成20年度は大麻所持事件が数多くありました。大相撲界、大学生、更に高校生を巻き込んだ大麻所持事件が各地で報道されました。埼玉県では薬物乱用防止運動で「ダメ、ゼッタイ。」ということで学校をあげて生徒に薬物乱用の怖さを教えています。私たちPTAも学校任せではなく、薬物の知識を学習し、その怖さを自分の子供に伝えていく義務があります。高P連が研修の柱としている健全育成事業の一貫として、薬物乱用防止に向けた研修を深める必要があろうかと思います。

 薬物という悪魔のささやきは、「これを使えば激やせするよ」とか「気分がとてもハイになるよ」とか、言葉巧みに子どもたちを誘います。

 最近はインターネットで簡単に薬物を手に入れることもできるそうですが、このような現状は子供たちだけの責任ではなく、大人として親として、もっと子供の言動に注意を払うことが必要ではないでしょうか。周りが気づいたときには、本人はかなりの重症である事実が多いのです。

 第二点目は、携帯電話の「光と影」に取り組んでいかなくてはなりません。あれほど便利な携帯電話が、有害サイトやいじめの書き込み等で、どれほど多くの高校生たちが苦しめられているか想像を絶することと思います。総務省、事業者団体、そして全高P連等が一体となって協議し、有害サイトから子供たちを守るために、携帯電話のフィルタリングの必要性を提唱しています。

 文部科学省は、小・中学校生徒の携帯電話の学校持ち込み禁止に向けての議論を進めているようですが、これについては賛否両論があろうかと思います。まして高校生の携帯電話の扱いについては更に複雑です。高校生の一部には、もはや携帯電話依存症といわれても仕方のない実態があると思います。

 埼玉県では高校生の携帯電話学校持ち込みに、一定の規制を設ける方向で動いているようですが、高P連としてもこの問題に関心を持たざるを得ません。未成年である高校生を持つ親として、子供の携帯電話の使い方に一層注目していかなくてはと思います。

 昨年度「IT社会における親子関係(大人の役割)について」というテーマで文部科学省が高P連とタイアップしてシンポジウムが栃木県の鬼怒川で行われました。子供を取り巻く人間関係の回復と社会環境の充実事業の一環として、文部科学省が全国展開しているテーマです。親は子供に何を伝えているか、どう伝えていくか等、真剣に協議しました。今年も高校生に関わる携帯電話の問題は大きく取り上げられると思います。共に皆様方と学習し、知識を共有していきたいと思います。

 第三点目は、命の大切さをもっともっと考えていかなくてはならないということです。薬物の乱用、いじめ、また子供から大人になる思春期に抱く揺れ動く不安定な感情等で、若い命が絶たれる事件・事故が後を絶たない現実があります。このような子供たちの壮絶な場面に遭遇した私たち大人は、一体何をすればよいのでしょうか。事件・事故が起きてからでは遅いのです。親は子供に経済的な支援だけではなく、精神的な支援も施さなくてはいけないのです。何も知らなかったではすまされないよう、高P連一丸となって命の大切さに取り組みたいと思います。今年度の12月8日(火)には「いのちのシンポジウム」を安全互助会と協賛で取り組む予定です。

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