24年度定期総会に550人 研修計画や予算など承認

平成24年度 定期総会・研究協議会

 平成24年度の定期総会・研究協議会は、6月19日午後1時から埼玉会館大ホールで開かれました。参加は県立高校PTA関係者など約550人。まず熊谷哲郎連合会長が開会の挨拶、続いて県教委県立学校部長の細田宏氏と、県高等学校安全振興会理事長の山田明美氏が祝辞を述べられました。

 議長に三井昌美氏を選び、議事に入りました。平成23年度の事業と決算、監査の報告があり原案通り承認されました。続いて24年度の役員改選、事業計画案、予算案など諮られましたが、全員異議なく原案通り承認されました。

 また来年度は第59回関東地区大会が埼玉県で開かれるためその実行委員会会則案と予算案も承認されました。

 さらに先の役員会で決定していた「県公立高校の適正な生徒募集の維持について」と題する県教育委員会教育長あての要望書を提出したことが報告されました。

白熱の研究協議会
夢や希望をかなえるために 越谷東高校が発表

竹内澄子氏

 県高P連研究協議会は、総会に続いて3時15分から始まりました。

 最初の発表は越谷東高校PTA会長の竹内澄子さん。

 テーマはPTA活動に関わる「夢や希望をかなえるために」。学校の概要説明の後、当校の特色である3年間を見通したキャリア教育、つまり1年時に職業理解を深め、将来就きたい仕事に向けて必要な進路を調べ、2年時には進路別に体験学習を行う。3年時には進路実現に向けて実力アップを図るという実践のようすが報告されました。

 これらに関係するPTAの取り組みとして、大学や専門学校を訪問する1日研修会、進路講話や進路説明会など、
(1)学校とタッグを組んで生徒を応援する、
(2)必要な情報を得る場を設定する、
(3)生徒が充実した高校生活を送れるように保護者が学校に足を運ぶようにしている
などのお話しがありました。

 具体的には6月の3者面談で保護者アンケートを行い学校の自己評価システムの指標として活用する、昨年9月からは携帯メール配信を導入して連絡漏れがないようにしているということでした。

 これに対して県教育局高校教育指導課の中村修2指導主事から、「キャリア教育については今年度から学習指導要領で明確にされ、23年1月の中教審でも『この充実は喫緊の課題である』としています。当校では体験を重視したキャリア教育が先行的に展開されているが、それは生徒がみずからと向き合い、主体的に進路や生き方を決定する力を育てるということです。今後もPTAは学校と強い絆で結ばれ、学校・教員を力強く応援していただき、学校と家庭を結ぶ架け橋になってほしい。」と講評がありました。

家庭が生徒指導の最前線
越谷総合技術高の取組み

金子泰子氏

 発表の2つ目は、越谷総合技術高校PTA・後援会会長の金子泰子さん。テーマは「生徒指導とPTAの在り方について。」

 概要説明の中で、学校の職業教育がとても充実していること、企業実習があり、社会人講師を活用していること、さらに第5回ファッションアワードで服飾デザイン科の生徒が最優秀の文部科学大臣賞と、第3位に当たる産経新聞社賞を受賞するなど入選入賞が続いていること、昨年度は就職希望者全員が就職したことなどの報告がありました。

 生徒指導とPTAについては、挨拶をきちんとする、交通ルールを守る、遅刻をさせない、身なりをきちんとするなどは、各家庭のしつけであり生徒指導の核心なので、「家庭こそが生徒指導の最前線と位置付けて、家庭の教育力をサポートできるPTAでありたい。」と結ばれました。

 これに対して県教育局生徒指導課の谷ケア覚指導主事からは、「発表を聞いてうなずくばかりです。私も家に帰れば1人の父親です。“各家庭の指導は生徒指導の最前線”とありますが、教育の基盤は家庭であり、学校と家庭が連携して初めて教育は成り立ちます。当校では行事の際のパトロール、交通安全指導、食堂のリフォームなど校内の美化と教育活動に積極的に取り組んでおられます。学校と家庭の連携で生徒指導に大きな成果を上げておられるのがよく分かりました。」と講評をいただきました。

 また「新聞やテレビのニュースで高校生に係る事件事故が頻発しています。子どもの周りには遊戯場の深夜営業、インターネット情報など誘惑が満ちています。県教委では保護者啓発リーフレットを作り、有害情報から子どもを守る取り組みとして、ネット上のサイトについて監視活動を行っています。

 県教委の抽出調査では高校2年生の97.6%が自分専用の携帯電話を持っておりインターネットを利用しています。子どもがトラブルに巻き込まれないように家庭の指導は欠かせない。」など県教委の取り組みについても触れてくださいました。

 その他「紙上発表」として、3校の発表がありました。

(1)「ものづくり・人づくり教育を支える」―大宮工業高校PTA会長西内孝也氏
(2)「学校と家庭が一体となったPTA活動」―上尾橘高校PTA会長田中由貴子氏
(3)「23年度の総会と研修会の事業について」―春日部高校定時制PTA会長宮田明美氏

心からお祝いします
細田宏県立学校部長あいさつ

 熊谷哲郎会長のもと定期総会が盛大に開かれることをお祝いいたします。

 県では子どもたちの豊かな心をはぐくむために「教育ふれあい賞」を設けています。23年度は県立川口工業高校と福岡高校でした。また生徒に確かな学力を付けさせるとともに、人間関係づくりを学習する体験学習としてのステップアッププログラムの取り組みと、幸手商業高校が、地域の福祉施設や地元のお祭りなどで「チンドンパフォーマンス」を行い、地域の活性化に貢献したボランティア・チャレンジ・プロジェクトに対して賞が贈られました。

 県では教育振興基本計画「生きる力と絆の埼玉教育プラン」を推進しています。これは学校・家庭・地域の結びつきを深め、子どもの知・徳・体の調和を図りつつ豊かな創造性を発揮する力を育てようというものです。策定から4年目に当たり仕上げの段階です。中でも学力の向上は最重要課題です。「授業が分かる。面白い。楽しい」という状況を作り出し、「できた、ほめられた、がんばった」という体験が課題解決の出発点です。

 生徒の安心・安全の確保も大きな課題です。インターネットによるトラブルから子どもを守るため、3カ条やチェックリストを示したリーフレットを配布しています。各家庭で活用して下さい。そして交通事故の防止です。22年度の交通事故は54件、23年度は35件に減少しました。県は交通事故ゼロを目指しています。

「埼玉県高P連だより」Topページへ 次のページへ