第61回関東高P連茨城大会に参加して

県立狭山経済高校 PTA会長 太田博希


開会セレモニー

山海嘉之教授の講演

 第61回関東高PTA連合大会茨城大会が7月8日(水)、9日(木)に行われました。

 『原点に戻って考えよう 〜生きる力を育み、自己実現を支援する〜』をメインテーマとして、茨城県つくば市を会場として、1日目は各県連代表による総会及びサイエンスツアー、2日目は全体会と分科会が実施されました。2日目は、つくばカピオをメイン会場とし、つくば国際会議場、ノバホールを分科会会場として開催されました。

 2500名余の参加者が集い、有意義な2日間となりました。

 開会のことば、国歌斉唱で全体会が始まり、関東地区高等学校PTA連合会会長菅野宏様、一般社団法人全国高等学校PTA連合会会長佐野元彦様の主催者あいさつに続いて、高校PTA活動において特に著しい功績が認められた役員と団体に対し表彰状贈呈が行われました。次に、茨城県副知事山口やちゑ様、つくば市長市原健一様から来賓の祝辞をいただきました。山口やちゑ様からは、家庭教育は、すべての教育の出発点であることやPTAの存在が問われていること、さらに、子どもとともに大人も成長し日本を支えなければならないこと等のお話をいただきました。市原健一様は、科学技術の地である、茨城県・つくば市での大会開催にお祝いの言葉をいただくとともに、何のために技術があり、いかに活用するか問われていること、街づくりの基本は人づくり、人づくりの基本は教育であるといったお話をいただきました。さらに、大会宣言文が発表され、大会のメインテーマを踏まえ、「子どもたちの夢と、希望と、輝く未来のために、新たな一歩を踏み出し、それぞれの活動の場で実践する」ことが宣言されました。

 次回開催県の山梨県高等学校PTA連合会会長のあいさつの後、群馬県連代表者の片桐伸也氏が参加者代表のあいさつをされ全体会の閉会となりました。

 続いて行われた記念講演では、筑波大学大学院システム情報工学科教授サイバニクス研究センターセンター長の山海嘉之教授を講師に迎え、「つくばから未来へ」〜重介護ゼロ社会への挑戦〜という演題でご講演をいただきました。

 山海嘉之教授が所属するサイバニクス研究センターでの研究は、人間を外から支援するロボットスーツや、人間を内から支援する人工心臓など、限界がある人の能力をテクノロジーによって改善・補助・拡張することを目指しているということです。

 講演では、重介護に関わる過酷な状況を支援する技術に関わる、現代社会において有効で実際的な活用例をご紹介いただきました。

 ご講演の中では、山海教授が少年時代に影響を受けた書籍のこと、また、ご両親の山海教授に接する暖かい姿勢等、幼少のころからご自分でやったことを、振り返りながら、科学者になるまでの経緯をお話しいただきました。

 さらに、昨今では、学術が昔の学習分野の分け方では対応できなくなってきている実情や、追いつき追い越せ型の人材から未来型開拓型人材の必要性、人や社会のことを第1に考えて未来開拓を推進する人材、全人的人材育成の重要性について語られました。お話の中で印象に残ったことの一つに「勉強とは、学ぶ力を身に着けること」というものがあり、有意義なご講演をいただきました。

 今大会の宣言文にあるように、これまで、「家庭の教育力を向上させようとする試みも行われてきました。これらの中には、うまくいったものもあれば、所期の目的を果たせず、見直しに至ったものもあり、課題解決に直結する特効薬は存在せず、試行錯誤が続いている状況にあります。」とあるように、この大会で、学校や家庭でどのように行動すべきか探究することの大切さや、PTAの果たす役割の大きさを改めて自覚することができる大会となりました。

前のページへ 「埼玉県高P連だより」Topページへ 次のページへ